便秘に効果がある栄養素として代表的な「食物繊維」。食物繊維は、便秘予防や解消だけでなく、血糖値の上昇の抑得てくれたり、血中コレステロール濃度を下げてくれたり、腸内環境(腸内フローラ)を良いバランスに保つなど、たくさんの身体へのプラスの効果がわかっています。
ですが、食物繊維は摂取し過ぎてしまうとお腹がゆるくなってしまったり、便秘が悪化してしまうことがあります。そのため、最適な量を最適なバランスで摂取することが大切と言われています。
食物繊維は1日にどのくらいの量を摂れば良いの?
食物繊維の1日の摂取量は、以下のように理想的な摂取量が定められています。
1日の摂取量の目安
生活習慣病の発症予防の観点から考えると、成人では、食物繊維を一日24g以上、できれば1,000kcalあたり14g摂取するのが理想とされています。しかし、平成27年国民栄養健康調査によると、実際の摂取量は、20歳以上で一日に平均15.0g(75歳以上で一日に平均15.9g)しか摂取できていません。
そのため、理想的な値と実際の摂取量の中間的な値をとって、目標量として成人男性は一日に20g以上(70歳以上は19g以上)、成人女性は一日に18g以上(70歳以上は17g以上)が設定されています
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/shokumotsu-seni.html
男性で1日20g、女性で18gと聞くとそんなに大変な数値では内容に見えますが、実は普段の食生活で食物繊維を目安摂取量分、摂取するのは食事に気をつけないと難しいんです。
私たちの食生活の変化(肉や乳製品の摂取が増えたなど)によって戦後から食物摂取量はどんどん減っていると言われています。今では平均で5g足りないと言われていて、特に若い世代は食習慣の変化がより顕著なことから食物繊維不足が著しい状況です。
ちゃんと知っておきたい2つの食物繊維の種類とオススメの食べ物
意識しないと不足してしまいがちな食物繊維ですが、実は2つの食物繊維があり、摂取するバランスもとても大切です。食物繊維には「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2つがあります。それぞれの役割は、以下になります。
不溶性食物繊維
水に溶けない食物繊維で、便のかさを増やす効果があります。食べ物だと果物でや豆類、きのこ類全般に多く含まれています。
水溶性食物繊維
水に溶ける食物繊維で、便を軟らかくする働きがあります。食べ物だと熟した果物や芋類、キャベツ・大根をはじめとした野菜類、海藻類、麦類に多く含まれています。現代人の食物繊維不足は特にこの水溶性食物繊維の不足が顕著であると言われています。穀類・めん類の中では特にライ麦パンやパスタ、野菜・キノコ類ではオクラ、トマトがオススメです。
2つの食物繊維それぞれの摂取量は?
一般的な摂取量のバランス量としては不溶性:水溶性は3:1で摂取すると腸内バランスを整える上で良いとされています。しかし、現代人の食物繊維不足は特に「水溶性食物繊維」の不足によるところが大きく、便秘に悩んでいる方は、不溶性:水溶性は2:1の摂取がオススメされています。
まとめ
便秘解消やダイエットに効果があると言われている栄養素の代名詞「食物繊維」。適切な摂取量を適切なバランスで摂るからこそ効果を発揮します。最近では食物繊維不足を補うためにサプリメントやパウダーなど栄養補助食品も様々ありますが、自分の食習慣の中で「不溶性」と「水溶性」どちらを摂取すべきか、購入検討しているサプリメントにはどちらが含まれているのかをしっかり確認する事をオススメします。
どんな栄養素でもそうですが、過剰摂取は身体に毒です。男性で1日20g、女性で18gの食物繊維をしっかり摂取するために日々の食生活を一度見つめ直してみると悩んでいた便秘が楽になるかもしれません。